2019年5月12日日曜日

  

 長い連休も終わり、「令和」が始まりました。「麗しい平和」の時代になりますように。新しい時代もどうぞよろしくお願い申し上げます。



「今が建て時です!」と言うけれど…    
住宅設計士 中島桂一 
 
 広告や営業マンはさかんに「今が建て時です!」とはやしたてます。本当に「今」「そこに」家を建ててしまってよいのでしょうか?

「今」で良いのか
家をつくるタイミングというのは非常に難しいものです。しかも一生に一度しか使えない切り札のようなものです。家族の年齢や社会的な立場、世代間の力のバランスや交代の時期、結婚、子育て、教育、退職、親の介護、老後…。 時間の経過や節目節目で状況はめまぐるしく変わっていきます。
時には将来の見通しがつかず、動きが取れない、あるいは動かない方が良いという時期もあるかもしれません。一方で、機会を逸すると後で非常に建てにくくなるということもあります。「切り札」をいつ切るか、悩むところです。
ともすると、子供が入学するからとか、ローンの金利が安いからとか、増税前に駆け込むなどの「きっかけ」だけで、先走ってしまいがちです。確かに重い腰を上げるためには「きっかけ」も大切ですが、もっと重要な「目的」を見失わないでください。「ナンデ」家を建てるかだけでなく、「何のために」家を建てるかということです。ご自身や家族がこれからもずっと仲良く、健康的に暮らしていくため、「今こそそれにふさわしい生活環境を構築する時かどうか」を見極めることです。

「ここ」で良いのか
家を建てる場所も、同じくらい難しい場合があります。
「ご主人の実家に同居でうまくやれるだろうか」、「奥様のご両親の土地に建てたとして、将来自分の親の面倒は誰がみることになるのだろうか」、「もしかしたらこのままアパートに住む方が良いという可能性はどうなのだろうか」、「住みたい場所に土地と家の両方は無理だが、中古住宅を購入して改築したらもしかして…」などなど。
住む土地が違えば環境も違います。人生も全く違うものになるかもしれません。家族や家族を取り巻く自然や社会との関係を中心に「いつ、どこに」を考えることが大切です。身内だけでは話しにくいこともあるかもしれません。専門家を交え、将来を見据え、慎重に検討または確認する必要があります。                            (中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」より)



 昨年11月に社長の中島桂一が「家づくりの 本当はどうなの?」というタイトルで本を出版致しました。30年以上住宅の設計と施工業務に関わってきた経験から、お客様との打合せの中でよく話題に上がる「家づくりの意外な真実」の一部を取り上げた内容となっております。
これから新築やリフォ-ムをお考えの方に、興味のあるところだけでも読んでいただき、家づくりの入門書、手引書としてお役立ていただければ幸いです。
 詳細はこちらのペ-ジをご覧ください→住宅設計士 中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」



2019年4月25日木曜日

セコイアの新緑、連休のお知らせ

 平成もいよいよ残り僅かとなりました。
「令和」はどんな時代になるでしょうか?
 セコイアの新緑が美しい季節、この連休は家の片付けに励み、気持ち良く爽やかに新しい時代を迎えたいものです。
 皆様も楽しいゴ-ルデンウィ-クをお過ごしください!

 当社のお休みは次の通りです。どうぞよろしくお願い致します。
4月 27日(土)営業
    28日(日)営業
    29日(月)休業
    30日(火)営業
5月  1日 (水)休業
   2日(木)営業
   3日(金)休業
   4日(土)休業
   5日(日)休業
   6日(月)営業


2019年4月12日金曜日

「ノースライト」 横山秀夫  



今話題の新刊「ノースライト」(新潮社)。著者は「クライマ-ズ・ハイ」で有名な元上毛新聞記者の作家、横山秀夫さんです。

「すべてお任せします。あなた自身が住みたい家を建ててください。」と突然施主に依頼された建築士が主人公。家は完成したものの引越した気配はなく、施主は行方不明に。新居にぽつんと残されたブル-ノ・タウトの椅子を手がかりに、施主の行方を追っていくミステリ-小説。

高崎の少林山達磨寺洗心亭、仙台の商工省工芸指導所、熱海の旧日向別邸など、タウトの足跡を辿り、タウトの椅子を巡る謎を解きながら、建築士自身が向き合わざるをえない「家族や家」の問題、葛藤を描き、それを解決していくという興味深いスト-リ-です。
仙台で日本人に工芸を指導していたタウト。先日、高崎市美術館で開催された「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展の焦点でもある「モダンデザイン」を巡る国境を越えた交流、タウトの意志を継ぐ日本人の職人魂が、この小説の中でも大きな鍵になっています。
 
 タウトを題材にした展覧会も鑑賞したばかりなので、一層興味が増し、小説の舞台や背景も理解しやすく、長編ですが一気に読んでしまいました。おもしろかったです!






 上はタウトがデザインした木のテ-ブルと折りたたみ椅子。1935年に制作されました。手作りの温かみが感じられるシンプルで美しいデザインです。群馬県立歴史博物館所蔵。
「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展覧会カタログより。

2019年3月26日火曜日

「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」~生活デザインの原点をめぐる5つの可能性~

 1933年に来日し、少林山達磨寺洗心亭に約2年滞在したドイツ人建築家ブル-ノ・タウト、群馬音楽センタ-を設計したアントニン・レ-モンドとノエミ夫妻。2人を招き、高崎で工芸運動や文化振興に尽力した事業家井上房一郎。この3人を中心に、国境を越え、日本にモダンデザインを芽吹かせ広めた建築家やデザイナ-に焦点を当てた企画展「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」を、高崎市美術館に見に行きました。
 
 昨年はブル-ノ・タウト(1880-1938)の没後80年、アントニン・レ-モンド(1888-1976)の生誕130年、井上房一郎(1898-1993)の生誕120年にあたる年でした。また、仙台の商工省工芸指導所でタウトに学んだ剣持勇、レ-モンド門下のジョ-ジ・ナカシマ、レーモンドや剣持と協働したイサム・ノグチら、ジャパニ-ズモダンを追求したデザイナ-たちの作品も多数展示。建築物の写真や図面、椅子、照明器具など約180点を通して紹介し、高崎を中心にモダンデザインの歴史を振り返る展覧会です。
 
 タウトやレ-モンドと高崎の関係を漠然と知っている方は多いことと思います。彼らが日本滞在中に何を考え、どういう場所で、どういう人たちと関わり、どんな作品を作り出していったのか、日本に何を残して行ったのか、モダンデザインがどう受け継がれていったのかなど、具体的な作品を通して詳しく知ることができました。
 
 木や竹、籐や和紙など、素朴な材料を使いながらも洗練されたデザインの作品は、美しく、丁寧さと温かみが感じられとても人間的で、年月を経た現在でも魅力を保ち続けています。
 第2次世界大戦前後、工業化が進んでいく時代に、土地土地の伝統文化を尊重し、手仕事の良さと量産化の追求に挑戦、より良い暮らしを夢見て制作に励んだ建築家やデザイナ-たち。
 彼らがこの世からいなくなっても、作品に込められた情熱や愛情はなくなることはなく、デザインとして残り使い続けられていくことに感動しました。住宅もそうでありたいものだと実感した展覧会でした。