2019年12月11日水曜日

快適さは“ゆらぎ”の中にある

日本の大部分の地域では、気温も湿度も高くなる夏は亜熱帯並に暑く感じ、シベリヤ気団の影響を受ける冬は寒帯並みに寒く感じます。そして長い歴史の中で、いかに夏を涼しく、そして冬を暖かく過ごすか、知恵を巡らし工夫をこらしてきました。そしてそれは日本特有の文化にも大きな影響を与えてきました。
近年、空調技術の発達により、そんな面倒な工夫をしなくても、エアコンで直接室温や湿度をコントロールできるようになりました。室内においては人工的に「暑くも寒くもない」環境をつくり出すことができるようになったのです。そして、「省エネ」と言いながら、24時間、1年中機械による空調を前提とした住宅が増えてきました。はたして快適さはどうなんでしょうか。

夏、日差しの照り付ける暑い外からエアコンの効いた室内に入ったとき、涼しくて気持ちがいいと感じます。しかし、しばらくして慣れてくるとなんとなく暑く感じてきて、エアコンの設定温度を下げたくなります。こんな事を繰り返しながら、ついつい過剰に室温を下げてしまうのはなぜでしょうか。その答えを、ある環境心理学のセミナーで聞いた事があります。
熱かった皮膚の表面温度が室温に合わせて徐々に下がっていく、その「過程」を人は「気持ち良い」と感じるのだそうです。やがてそれらが落ち着いてくると厭きてしまい、再び変化を求めて室温を下げたくなります。そしてこの繰り返し…。したがって「理想的な室温や湿度、風速を維持することができれば、人は快適に感じるか」というと、どうもそうではないらしく、適度な変化があった方が快適さを実感できるのだそうです。
ヒートショックを起こすほどの不快で急激な変化は避けなくてはなりませんし、部屋の利用目的、住む人の体質や持病、好み、さらには自然観や教育観などの考え方も考慮しなくてはなりません。しかし、快適さのためには自然の持つゆらぎや季節感、「夏、暑すぎず、冬、寒すぎない」くらいの適度な変化はむしろ必要と言えるでしょう。つまり、「快適さは“ゆらぎ”の中にある」ということだと思います。

快適さだけではありません。適応力や体力をつけ、感性や情緒を育み、躾の面でも忍耐力や知恵をつけるためにも、昔ながらの知恵と工夫を取り入れることで、なるべく人工的な設備に頼らない生活文化を大切にしていきたいものです。
                                     
住宅設計士 中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」より)


2019年11月30日土曜日

日射し

 今年も残り少なくなってきましたね。寒くなってきましたので、皆様風邪など引かないよう、くれぐれも体調に気をつけてお過ごしください。

 当社ロビ-の吹抜けは、南窓を天井まで大胆に取っており、太陽の角度によって、夏はほとんど陽が入らず、冬は部屋の奥まで陽が入るパッシブデザインとなっています。
 今日はお天気が良く、昼間は日射しがよく入りとても暖かく、薪スト-ブなしで過ごせました。
 紅葉したセコイアの間から陽が射し込んできて、ゆらゆらと光が揺らいでいます。それを見ていると、気持ちが良くリラックスし、時間が経つのを忘れます。
 何かと騒がしい世の中、特に年末ともなると気忙しくなってきますね…そういう時こそ季節や時間の移り変わりを感じながら、家の中で静かに過ごすひと時を大切にしたいものです。




猫のみなちゃんも気持ち良くお昼寝中。

2019年11月2日土曜日

「薪スト-ブのメリット・デメリット」

 早いもので11月に入りました。今年も残り少なくなってきましたね…
 日中は日が射すと暖かいですが、さすがに朝晩は寒くなり、当社のロビ-も薪スト-ブを使い始めました。



 最近人気のある薪スト-ブですが、メリット、デメリットがいろいろあります。以前まとめた記事がありますので、興味のある方はぜひご覧ください!
 薪スト-ブは本体と工事費でかなり高額になり、設置したものの手間がかかり、使い続けるのも、予想より大変かもしれません…購入する前によく考えて選ぶことをおすすめします。

*以前の記事はこちらです→「薪スト-ブのメリット・デメリット」

2019年10月17日木曜日

台風

 今回日本を襲った大型の台風は、全国各地で大きな被害をもたらしました。皆様のお住まいは無事だったでしょうか? 
 群馬も含め広範囲に渡った被害の大きさに驚くばかりです…まだその全貌がわからない状況ですが、各地の復興が迅速に進むことを願っております。

 当社の庭にあるセコイアの大木、倒れるのではないかと心配していましたが大丈夫でした。ほっとしております。枝がたくさん落ちて、次の日は落ちた枝葉、実などの掃除が大変でしたが…ともあれそれ以上の被害はなく本当に良かったです。

大きい枝がたくさん落ちてきてビックリ!



枝葉が減りスッキリしました。



池も増水してハラハラしましたが、鯉は大丈夫でした!

2019年9月27日金曜日

建物探訪 群馬音楽センタ-

 9月20日、高崎駅東口に新しいホ-ル、高崎芸術劇場がオ-プンしました!杮落しの第九は抽選で外れてしまったため、まだ内部に入ったことがないですが、どんな響きがするのか楽しみです。


 先日551回目の定演を迎えた群馬交響楽団の本拠地も、音楽センタ-から芸術劇場へ移ることとなりました。 
 1961年(昭和36年)に開館した「群馬音楽センタ-」。1955年に公開された群馬交響楽団がモデルの映画「ここに泉あり」のヒットを機に、「音楽センタ-建設運動」が広がり、実業家・井上房一郎の呼びかけで、市民からたくさんの寄付が集まり建設されました。チェコの建築家アントニン・レ-モンドが設計し、60年近く多くの人々に親しまれ愛されてきた建物です。
 
 帝国ホテルの設計のため、フランクロイド・ライトの助手として来日したアントニン・レ-モンド。群馬音楽センタ-はレ-モンドの代表作のひとつであり、DOCOMOMO(近代建築の保存と調査のための国際組織)20選にも選定されている後世に残すべき近代建築です。


 市民からの多額の寄付を有効に使うため、無駄なものを省いた鉄筋コンクリ-ト折板構造が採用されました。折り紙のような構造体をホ-ル内で直接体感できるおもしろさがあります。
 同じ1961年に完成した上野の東京文化会館(設計・前川國男)は、ダイナミックで豪華、重厚な雰囲気を醸し出していますが、同じコンクリ-ト造でも群馬音楽センタ-は、軽やかで明るく、のびのびとした印象。とても群馬らしい建物に思えます。


 6月16日、この音楽センタ-で、高崎高校吹奏楽部OB会による創部80周年記念演奏会が開催され、中島桂一もフル-トパ-トの一員として参加しました。
 音楽センタ-と同じ年に生まれ、中学・高校と吹奏楽部だった主人曰く、「演奏会やコンク-ルなどで何度もステ-ジで演奏した。独特の平べったい空間。コンクリ-トや合板が多いのにどこか温かみがあり、建築にエネルギ-を注いだ設計者、施工者の人間味を感じる。開館からほぼ60年、建物としては、これから成熟したいい時期を迎える年齢なので、音楽センタ-に手を加え、今後ももっと積極的に活用されることを願います。」
 
 新しいホ-ルへの期待はもちろんありますが、年月を経て味わいが出てきた群馬音楽センタ-が、これからも高崎を代表する建物として愛され使われ続けますように。

2019年8月19日月曜日

「たちまちできちゃったけど あんなので大丈夫なんかねー?」

さて、隣近所で工事が始まったかと思うとたちまち家が出現する、という光景を目にしたことがあると思います。そして「たちまちできちゃったけど、あんなので大丈夫なんかねー」と噂になります。

 大工さんが建て前をしてから半年近くかけて家を作っていた時代を経験している世代にとっては、あまり工期が短いと「何か手抜きをしているのではないか」とか、「仕事が雑なのではないか」などと心配になるのは無理もありません。しかし、「たちまちできちゃった家」の問題点は、もっと他のところにあるのです…

*コラムの続きはこちらをご覧ください!

たちまちできちゃったけど あんなので大丈夫なんかねー?」



2019年8月1日木曜日

「たちまちできちゃったけど あんなので大丈夫なんかね-?」

隣近所で工事が始まったかと思うとたちまち家が出現する、という光景を目にしたことがあると思います。そして「たちまちできちゃったけど、あんなので大丈夫なんかねー」と噂になります。
大工さんが建て前をしてから半年近くかけて家を作っていた時代を経験している世代にとっては、あまり工期が短いと「何か手抜きをしているのではないか」とか、「仕事が雑なのではないか」などと心配になるのは無理もありません。しかし、「たちまちできちゃった家」の問題点は、もっと他のところにあるのです…

 一般的に家づくりというと、現場で職人さんがトンカンと工事しているイメージが浮かびます。だから家の良し悪しは大工さんの腕で決まる、となんとなく考えられてきました。実はそこに落とし穴があります。
どんなプロジェクトにも計画(PLAN)と実行(DO)があるように、「家づくりというプロジェクト」にも、「設計」と「施工」があります。設計は「何を作るか」を決める作業です。施工は「どうやって作るか」を進める作業です。大工さんが活躍するのは「どうやって作るか」の一部分なのです。

 どんな土地にどんな人が住むかを調査した後、要望をお聞きし、それを基にたたき台のプランを考えて提出。そこで問題点を検討するところから設計打合せがスタートします。間取り、概算見積、窓や収納、内外装、設備などの詳細打合せ、詳細見積、予算調整、と何度も行きつ戻りつを繰り返した後、ようやく契約に至ります。そして役所等への申請。と、ここまでが設計段階です。そして、施工段階、引渡しへと続きます。「何を作るか」、つまりどんな家ができるかは、設計段階で決まってしまうのです。
もしも、設計打合せ期間を十分に確保し、その分施工期間を「ムリ、ムラ、ムダ」のない合理的なシステムによって短縮することでプロジェクト全体の工期を抑えるのなら、住む人にとってメリットがあると言えます。つまり「設計は念入りに、施工は合理的に」ということです。
しかし、実際は現場工期が極端に短い場合は、設計期間も短い場合がほとんどです。法令、地盤調査→家族構成と要望の聞き出し→プラン提出、とここまではさほど問題はないのですが、そこから、プランと同時に見積提出、一足飛びに契約→施工へと行ってしまうのです。肝心な設計打合せがそっくり抜け落ちているのが最大の問題点です。「キッチンのタイプやクロスの色を選ぶくらいしか打合せが無かった」という話もよく聞きます。

 工法、工期など「どうやって作るか」ばかりに気をとられ、肝心の「何を作るか」がほとんど論じられることなく、「理解」も「納得」も無いまま、「あれよあれよ」という間に家が出来上がってしまうのです。
「数千万をかけてクロスの色を選んだだけか」「これが本当に自分の家なのか」「自分のお金で『誰かの家』を作ってしまったのではないか」「これから一生、この『誰かの家』に自分が住むのか」
結局、「家づくりなんてこんなものさ」「仕方なかったんだ」という諦めの気持ちで一生その家に住むことになるのです。はたしてこれが、望んでいた結末でしょうか。

 現代の家づくりの場合、「何を作るか」はほとんど計画段階で決められ、現場では設計図通りに作ることが求められます。だからこそ、設計に十分な時間をかけ、自分や家族の将来のために理解納得の計画を練ることが、家づくり成功の鍵なのです。            

        住宅設計士 中島桂一著 「家づくりの本当はどうなの?」より 



*本の詳細はこちらのペ-ジをご覧ください→住宅設計士 中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」


2019年7月16日火曜日

「木にこだわるのには訳がある」

 梅雨の長雨、蒸して肌寒い日が続いています。体調を崩されている方も多いのではないでしょうか。梅雨明けはもう少し先のようですね。くれぐれもご自愛ください。
 湿気の多い時期ですが、当社のロビ-は梅雨時でも爽やかです。構造や内装に使っている無垢の木が湿度を調節してくれているからです。

 さてクイズです。
*12cm角のヒノキの柱1本が調節する水分量はどれくらいでしょうか?
 A:コップ1杯くらい B:ジュ-ス瓶1本くらい C:ビールの大瓶1本くらい

 答えは C です。計算上は720ml。ビールの大瓶は630mlです。


 また、厚さ15mmの杉板を室内に張った場合は、畳1畳あたりビールの大瓶1.5本分の水分を吸ったり吐いたりするそうです。ひと坪あたりで3本ですから、仮に40坪の家の床と天井をすべて板張りにした場合は240本分の水分を調節してくれる計算になります。


 木が持つ調湿の働きはすごいですね!しかも24時間365日、未来永劫故障することもなく、全自動で音もたてずに働くのですから、こんなに住む人にとって都合の良い材料はありません。そして、一部に使用するだけでも相当の効果があるということです。


 ただし、そのために木は伸びたり縮んだりするので狂いも出やすく、場合によっては割れが出ることも珍しくありません。環境をつくり出す素材としてみれば優れた長所でも、単なる物としてみたときにはこれが欠点となって住み手、作り手から敬遠されてきた側面もあります。


 住宅は生活するための環境をつくり出している建物です。全国的な高温多湿の夏、冬に湿気る日本海側、冬は乾燥しすぎる太平洋側。1年中湿度に悩まされる日本では、「木にこだわるのにはワケがある」ということです。


 木の調湿作用について、昨年11月に出版致しました「家づくりの 本当はどうなの?」の中でもっと詳しく説明しています。
 この本では他にも、30年以上住宅の設計と施工業務に関わってきた経験から、お客様との打合せの中でよく話題に上がる「家づくりの意外な真実」をいろいろ取り上げております。
 これから新築やリフォ-ムをお考えの方に、興味のあるところだけでも読んでいただき、家づくりの入門書、手引書としてお役立ていただければ幸いです。
 ご希望の方は当社までお問合せください。

 *詳細はこちらのペ-ジをご覧ください→住宅設計士 中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」




2019年6月25日火曜日

「家づくりの 本当はどうなの?」

 梅雨の只中、湿気が多く、蒸し暑い日が続いていますね…くれぐれもご自愛ください。
 会社の庭ではアジサイがたくさん咲いて、目を楽しませてくれています。




 昨年11月に社長の中島桂一が「家づくりの 本当はどうなの?」というタイトルで本を出版致しました。
 おかげさまでたくさんの方に読んでいただき、
「勉強になった。」
「読みやすくて、とてもおもしろかった。」
「家づくりについて、こんなによくまとめて書いてある本はあまり見たことがない。」
「家を考えている知り合いに薦めたい。」
など、嬉しい感想をいただいております。

 この本では、30年以上住宅の設計と施工業務に関わってきた経験から、お客様との打合せの中でよく話題に上がる「家づくりの意外な真実」の一部を取り上ております。
 これから新築やリフォ-ムをお考えの方に、興味のあるところだけでも読んでいただき、家づくりの入門書、手引書としてお役立ていただければ幸いです。
 ご希望の方は当社までお問合せください。

 *詳細はこちらのペ-ジをご覧ください→住宅設計士 中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」

2019年6月10日月曜日

雨の庭

 先日の暑さから一転、梅雨入りし肌寒い日が続いています。体調を崩しやすい時期ですね。皆様、くれぐれもご自愛ください。
 会社の庭はアジサイとツツジがきれいに咲いています。雨の庭も風情があり心が落ち着きます。





2019年5月24日金曜日

  

 「令和」が始まってもう1ヶ月近くが経ち、新元号もだいぶ生活に馴染んできましたね。平成がすっかり過去のことのように感じます。
 「麗しい平和」の時代になりますように。新しい時代もどうぞよろしくお願い申し上げます。



「今が建て時です!」と言うけれど…    
住宅設計士 中島桂一 
 
 広告や営業マンはさかんに「今が建て時です!」とはやしたてます。本当に「今」「そこに」家を建ててしまってよいのでしょうか?

「今」で良いのか
家をつくるタイミングというのは非常に難しいものです。しかも一生に一度しか使えない切り札のようなものです。家族の年齢や社会的な立場、世代間の力のバランスや交代の時期、結婚、子育て、教育、退職、親の介護、老後…。 時間の経過や節目節目で状況はめまぐるしく変わっていきます。
時には将来の見通しがつかず、動きが取れない、あるいは動かない方が良いという時期もあるかもしれません。一方で、機会を逸すると後で非常に建てにくくなるということもあります。「切り札」をいつ切るか、悩むところです。
ともすると、子供が入学するからとか、ローンの金利が安いからとか、増税前に駆け込むなどの「きっかけ」だけで、先走ってしまいがちです。確かに重い腰を上げるためには「きっかけ」も大切ですが、もっと重要な「目的」を見失わないでください。「ナンデ」家を建てるかだけでなく、「何のために」家を建てるかということです。ご自身や家族がこれからもずっと仲良く、健康的に暮らしていくため、「今こそそれにふさわしい生活環境を構築する時かどうか」を見極めることです。

「ここ」で良いのか
家を建てる場所も、同じくらい難しい場合があります。
「ご主人の実家に同居でうまくやれるだろうか」、「奥様のご両親の土地に建てたとして、将来自分の親の面倒は誰がみることになるのだろうか」、「もしかしたらこのままアパートに住む方が良いという可能性はどうなのだろうか」、「住みたい場所に土地と家の両方は無理だが、中古住宅を購入して改築したらもしかして…」などなど。
住む土地が違えば環境も違います。人生も全く違うものになるかもしれません。家族や家族を取り巻く自然や社会との関係を中心に「いつ、どこに」を考えることが大切です。身内だけでは話しにくいこともあるかもしれません。専門家を交え、将来を見据え、慎重に検討または確認する必要があります。                            (中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」より)



 昨年11月に社長の中島桂一が「家づくりの 本当はどうなの?」というタイトルで本を出版致しました。30年以上住宅の設計と施工業務に関わってきた経験から、お客様との打合せの中でよく話題に上がる「家づくりの意外な真実」の一部を取り上げた内容となっております。
これから新築やリフォ-ムをお考えの方に、興味のあるところだけでも読んでいただき、家づくりの入門書、手引書としてお役立ていただければ幸いです。
 詳細はこちらのペ-ジをご覧ください→住宅設計士 中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」



2019年4月25日木曜日

セコイアの新緑、連休のお知らせ

 平成もいよいよ残り僅かとなりました。
「令和」はどんな時代になるでしょうか?
 セコイアの新緑が美しい季節、この連休は家の片付けに励み、気持ち良く爽やかに新しい時代を迎えたいものです。
 皆様も楽しいゴ-ルデンウィ-クをお過ごしください!

 当社のお休みは次の通りです。どうぞよろしくお願い致します。
4月 27日(土)営業
    28日(日)営業
    29日(月)休業
    30日(火)営業
5月  1日 (水)休業
   2日(木)営業
   3日(金)休業
   4日(土)休業
   5日(日)休業
   6日(月)営業


2019年4月12日金曜日

「ノースライト」 横山秀夫  



今話題の新刊「ノースライト」(新潮社)。著者は「クライマ-ズ・ハイ」で有名な元上毛新聞記者の作家、横山秀夫さんです。

「すべてお任せします。あなた自身が住みたい家を建ててください。」と突然施主に依頼された建築士が主人公。家は完成したものの引越した気配はなく、施主は行方不明に。新居にぽつんと残されたブル-ノ・タウトの椅子を手がかりに、施主の行方を追っていくミステリ-小説。

高崎の少林山達磨寺洗心亭、仙台の商工省工芸指導所、熱海の旧日向別邸など、タウトの足跡を辿り、タウトの椅子を巡る謎を解きながら、建築士自身が向き合わざるをえない「家族や家」の問題、葛藤を描き、それを解決していくという興味深いスト-リ-です。
仙台で日本人に工芸を指導していたタウト。先日、高崎市美術館で開催された「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展の焦点でもある「モダンデザイン」を巡る国境を越えた交流、タウトの意志を継ぐ日本人の職人魂が、この小説の中でも大きな鍵になっています。
 
 タウトを題材にした展覧会も鑑賞したばかりなので、一層興味が増し、小説の舞台や背景も理解しやすく、長編ですが一気に読んでしまいました。おもしろかったです!






 上はタウトがデザインした木のテ-ブルと折りたたみ椅子。1935年に制作されました。手作りの温かみが感じられるシンプルで美しいデザインです。群馬県立歴史博物館所蔵。
「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」展覧会カタログより。

2019年3月26日火曜日

「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」~生活デザインの原点をめぐる5つの可能性~

 1933年に来日し、少林山達磨寺洗心亭に約2年滞在したドイツ人建築家ブル-ノ・タウト、群馬音楽センタ-を設計したアントニン・レ-モンドとノエミ夫妻。2人を招き、高崎で工芸運動や文化振興に尽力した事業家井上房一郎。この3人を中心に、国境を越え、日本にモダンデザインを芽吹かせ広めた建築家やデザイナ-に焦点を当てた企画展「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」を、高崎市美術館に見に行きました。
 
 昨年はブル-ノ・タウト(1880-1938)の没後80年、アントニン・レ-モンド(1888-1976)の生誕130年、井上房一郎(1898-1993)の生誕120年にあたる年でした。また、仙台の商工省工芸指導所でタウトに学んだ剣持勇、レ-モンド門下のジョ-ジ・ナカシマ、レーモンドや剣持と協働したイサム・ノグチら、ジャパニ-ズモダンを追求したデザイナ-たちの作品も多数展示。建築物の写真や図面、椅子、照明器具など約180点を通して紹介し、高崎を中心にモダンデザインの歴史を振り返る展覧会です。
 
 タウトやレ-モンドと高崎の関係を漠然と知っている方は多いことと思います。彼らが日本滞在中に何を考え、どういう場所で、どういう人たちと関わり、どんな作品を作り出していったのか、日本に何を残して行ったのか、モダンデザインがどう受け継がれていったのかなど、具体的な作品を通して詳しく知ることができました。
 
 木や竹、籐や和紙など、素朴な材料を使いながらも洗練されたデザインの作品は、美しく、丁寧さと温かみが感じられとても人間的で、年月を経た現在でも魅力を保ち続けています。
 第2次世界大戦前後、工業化が進んでいく時代に、土地土地の伝統文化を尊重し、手仕事の良さと量産化の追求に挑戦、より良い暮らしを夢見て制作に励んだ建築家やデザイナ-たち。
 彼らがこの世からいなくなっても、作品に込められた情熱や愛情はなくなることはなく、デザインとして残り使い続けられていくことに感動しました。住宅もそうでありたいものだと実感した展覧会でした。








2019年3月11日月曜日

「南三陸町、気仙沼を走る」

 今日は3月11日、早いもので東日本大震災から8年が経ち、今年も東北に向かって黙祷を捧げました。震災から約7ヶ月後、社長の中島桂一は自転車で被災地を走りました。
 その時の記録がブログ「自転車走業日誌」に掲載してあります。復興が進んできた現在においては、当時の貴重な記録と言えると思います。写真もたくさんありますので、興味のある方はぜひご覧ください!

中島桂一のブログ「自転車走業日誌」→「南三陸町、気仙沼を走る」

2019年3月3日日曜日

手作りの小屋

 早いもので3月に入りました。いよいよ春ですね~

 
 中島桂一手作り、組み立て式の小屋です。春らしくカラフルな色で塗装してみました!
 細い棒を組み合わせて軽量に作ってあり、釘やネジを使わず差し込むだけ。レゴ感覚で簡単に楽しく組み立てられるように考えました。2人で15分もあれば完成です。
 ホットドッグスタンドみたいでワクワクしますが、お客様のお庭で臨時の物置として使われています。


今年の1月6,7日に開催された少林山達磨寺の七草大祭。
 元々は少林山達磨寺の七草大祭で、御祈祷受付などに使うための臨時の小屋として設計しました。必要な時に組み立て、連結して使うことも可能、いろいろな用途に利用でき好評です!
 

2019年2月19日火曜日

「家づくりの 本当はどうなの?」

 少し暖かく春らしくなってきましたが、まだまだ寒暖の差がありますし、花粉も飛び始める時期になりました…季節の変わり目、くれぐれもお体に気をつけてお過ごしください。

冬の間冬眠していた池の鯉も、動き始めました!


 昨年11月に社長の中島桂一が「家づくりの 本当はどうなの?」というタイトルで本を出版致しました。30年以上住宅の設計と施工業務に関わってきた経験から、お客様との打合せの中でよく話題に上がる「家づくりの意外な真実」の一部を取り上げた内容となっております。
 これから新築やリフォ-ムをお考えの方に、興味のあるところだけでも読んでいただき、家づくりの入門書、手引書としてお役立ていただければ幸いです。
 詳細はこちらのペ-ジをご覧ください→住宅設計士 中島桂一著「家づくりの 本当はどうなの?」

2019年2月10日日曜日

上棟

 高崎市内で上棟。写真を少しですがアップしました。